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【燻製の話】
2018.03.01

火の歴史と燻製

燻製しょうゆはなぜ美味しくなるの?燻製をすると何に効果があるの?というご質問が良くあります。

燻製オリーブオイルや燻製しょうゆはかけると保存性が高まるといった効果はありませんが、確実にお料理を美味しくしていく効果があります。なぜ美味しく感じるのでしょうか?

燻製は非常に古くからの歴史があり、新石器時代から存在するといわれています。
しかし、「コレが燻製を作っていた証拠だ」というものではないため、定かではありません。
私はココからが燻製という区切りではなく、「煙の香り」にフォーカスして考えてみたいと思いました。

人類が火を発見したのはいつなのだろうか?

図のように約150万年前に南アフリカで火を使用した跡がありますが、これは火を起こしたのではなく落雷や自然発火による「火の発見」に過ぎません。しかし、火の発見は人類にとってとても大きな事象でした。

火は暖をとることも出来れば、暗い闇に光を灯すことも出来ます。このことで人は生活範囲も活動時間も広げることに成功します。火を絶やすことはその範囲全てを断つことになるため、火は非常に貴重なものだったでしょう。
火を起こせるようになったのは70万年前とも5万年前ともいわれており、その幅は非常に大きな時間の差ですが、ここで注目したいのはエネルギーです。現在、エネルギーは電気やガスなど高効率に光や熱に変換できるエネルギーが存在しますが、それらの利用はほんのごく最近のこと。

そのエネルギーが利用されるまでの調理はほぼ「薪」が使われていました。つまり薪を燃やして料理をするというときに必ずといって良いほど「煙」が発生していたはずです。

ハーバード大学 生物人類学教授 リチャード・ランガム博士は人類が人類になる大きな分岐点は「火の発見」であるとしており、ヒトは料理で進化したと説いています。(NTT出版「火の賜物」:リチャード・ランガム著より)

燻製という調理法は塩蔵⇒塩抜き⇒乾燥⇒燻煙という工程から出来る保存法ですが、煙の香りそのものに特化して考えると燻製の香りは人類史上最も生活に密着した香りであり、いわば「食」そのものの香りと言っても過言ではありません。

我々がお肉やお魚などの食を求めるとき、自然と炭火焼やバーベキューのような煙や焼けた香りに誘われてしまうのは、火を扱う人類として生まれた宿命であり、「美味しい」と思わざるを得ない究極の美味なる香りだからなのです。

燻製しょうゆ、燻製オリーブオイルはその神秘なる香りが凝縮されている、究極の調味料なのです。

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